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第七十二回全日本居合道全国大会

 

令和七年五月三日から五日にかけて、京都のみやこメッセにて第七十二回全日本居合道全国大会が開催されました。全日本居合道連盟が主催する本大会は、日本全国の居合道家が一堂に会する伝統的な競技大会であり、競技者たちの研鑽の成果が披露されました。

1954年(昭和29年)、河野百錬の発案によって創立された全日本居合道連盟は、日本初の居合道専門団体として、各派の専門家が集い発展を続けてきました。本連盟は無双直伝英信流、新陰流、北辰一刀流、神道無念流、夢想神伝流、関口流、無外流、神伝流、伯耆流、荒木無人流などの流派を擁し、全国各地の道場を支えています。

全国大会は毎年五月三日から五日にかけて京都で開催されており、今年も全国から569名が参加し、うち86名が称号・段位審査を受けました。

競技日程

三日間にわたり、異なる内容の演武や審査が行われました。

  • 五月三日:準範士から十段位までの演武が披露され、各流派の高度な技術が競われました。
  • 五月四日:五段から教士までの演武が行われ、心技体の調和を競いました。
  • 五月五日:昇段審査が実施され、学科試験と実技試験(業の演武)を通じて、新たな段位の資格が認定されました。

昇段審査は特に厳格化しており、特に八段審査においては例年、半数が不合格となる難関です。近畿地区連盟に属する滋賀居合道友会からも名が大会に参加し、2名が昇段審査を受験。準範士受審者と七段受審者の2名とも合格し、さらなる飛躍が期待されます。

【十段位 佐々木 正俊 先生】

【八段 富田 幸児 先生】
 ※今回、準範士を受審し、見事に合格なされました。おめでとうございます。

【教士 中山 直生 先生】

【七段 堀尾 秀治 先生】
 ※前列 中央

【七段 中城 康雄 先生  島田 利男 先生】
 ※写真 後列 右     写真 前列 右

【錬士 岡 勉 先生】
 ※今回、七段を受審し、見事に合格なされました。おめでとうございます。

【錬士 小西 賢 先生】
 ※写真 中央

【六段 滝 真康 剣士】
 ※写真 後列 左

【六段 大堀 仁志 剣士】
 ※前列 左

大会期間中、平安神宮周辺では様々なイベントが開催され、多くの観光客や武道愛好家が訪れました。京都ならではの落ち着いた雰囲気の中、武道の精神性に触れることができたことでしょう。天候は三日間を通じて概ね良好で、屋外での観光も楽しめる状況でした。

居合道の伝統を受け継ぎながら進化を続ける本大会。全国の道場や選手たちの情熱が集結し、日本文化としての居合道のさらなる発展を感じさせる大会となりました。

最後に………

「一瞬に全てを懸ける」

大会期間中に、平安神宮周辺で見かけた大道芸さんが言っておりました。

「今日、この瞬間に失敗すれば、大怪我をして明日から無職。」
だからこそ、気を付けていることは、「一回一回の芸を本気でする。」

確かに大道芸も居合道も、その技は一度きりの勝負です。居合は抜刀の一瞬で勝敗を決するものであり、迷いがあれば、それは技の乱れとなり、結果として現れる。だからこそ、今この時にすべてを懸ける。 一瞬に全力を込める。それが積み重なった先に、真の技が宿るのではないかと思います。

今日の演武が最後かもしれない。だからこそ、全身全霊で向き合う。軽く流す余裕などない。そこにあるのは、今この瞬間にかける覚悟のみ。 この精神があれば、大道芸も居合道も、ただの技術ではなく、生き様となると思いました。

以上

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